「アメーバ経営」の最大の強み

 残るは自律性である。自分の行動を自分で決められる力を、京セラでどのように身につけることができるのだろうか。この点については、稲盛氏が導入した「アメーバ経営」に尽きるだろう。

 アメーバ経営は、会社全体を5人から20人の小さなグループ(アメーバ)に分け、各アメーバに採算性と持続的成長を求める仕組みである。この小規模なグループ運営により、社員一人ひとりが意思決定に関わる機会が増え、自分の意見やアイデアを反映させやすくなる。

 具体的には、各アメーバは独自に目標を設定し、達成のための戦略を立てる。各メンバーが自分の役割を果たしながら、全体の成功に貢献するという形で運営される。このプロセスを通じて、社員は自分の仕事に対する責任感と自律性を身につけることができる。

 また、アメーバ内での意見交換やディスカッションが頻繁に行われるため、社員間の関係性も自然に強化される。小さい目標を達成し続けることで、自分たちが会社や世の中の役に立っているという「有能感」も身につけられることだろう。

 では、項目の最後の部分について引用しよう。