どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年#21Photo:ollo/gettyimages

新車の世界販売台数で、トップをひた走るトヨタ自動車。円安効果を追い風に、2024年3月期の連結純利益は過去最高の3兆9500億円を見込む。トヨタの中で年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?特集『どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年』の#21では、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクの推移を初試算した。その結果、同社は年配の社員が優勢ではあったが、5世代の詳細を見ると差異が……。このほか5年後の平均年収予想額では、現在の水準を大幅に上回る結果となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

好業績、将来性あり給料も高い
憧れのトヨタ社内で勝ち組世代、負け組世代は?

 トヨタ自動車は2023年3月期の売上高が37兆円、22年の販売台数は1000万台を超えて3年連続で世界一となるなど、誰もが知っている超一流企業だ。

 ただ、自動車産業は激変期にある。EV(電気自動車)や自動運転の普及が進むのは確実で、稼いだ利益を原資にEVへのシフトや事業転換をうまく進めなければ、現在優位なポジションにあるトヨタといえども衰亡は必至だ。

 そこでダイヤモンド編集部は、設備投資や研究開発投資を機動的に実行できる財務力、マネジメント力を備えた企業を将来性の高い企業として評価する自動車・半導体・自動運転「存亡ランキング236社」を独自に作成。

 米グーグルを子会社に持つ米アルファベットや、EVの生産体制の強化によって短期間でその販売台数を増やした中国の比亜迪(BYD)など、海外の名だたる上場企業も対象に含めたランキングで、トヨタは4位と好成績を収めた。

 好業績や将来性ばかりがトヨタの魅力ではない。社員の待遇も“憧れの的”で、平均年収は895万円に上る。日産自動車やホンダなど同業他社より高水準のため、地元、愛知県外の就活生からの人気も高い。

 そんなトヨタの中で、年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクの推移を初試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本企業の中での序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 試算の結果、トヨタは年配の社員が優勢であることが判明したが、5世代の詳細を見ると差異が……。また、専門家による5年後の予測年収の試算も掲載した。次ページで確認しよう。