ホンダが「最低評価でも年収1100万円」社員にメス、シニア人材に迫る3つの“追放策”Photo:NurPhoto/gettyimages

ホンダは生産性の低いシニア社員の追い出しに躍起になっている。ターゲットは55歳以上の“部下なし管理職”。すでに導入した早期退職制度に加えて、二の矢、三の矢を放とうとしているのだ。特集『部長・課長の残酷 給料・出世・役職定年』の#4では、ホンダ経営陣が進める無慈悲リストラの実態を明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 浅島亮子)

「週刊ダイヤモンド」2023年4月1日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

春闘は1990年以来の最高額回答でも
シニア追い込む「無慈悲リストラ」敢行

 1990年以来の最高額──。ホンダは今年の春闘で、ベースアップ相当分と定期昇給分を合わせた月額1万9000円(5%程度)という労組の賃上げ要求に対して、満額回答した。

 ホンダは電気自動車(EV)を主軸とした事業の構造転換を進めているところで、高度人材を獲得し続けるためには賃上げはやむを得ないとの考えが働いたようだ。

 だがその一方で、社内に滞留するシニア世代を中心に、労働生産性の低い社員をフェードアウトさせる方策にも着手している。

 ホンダがリストラの標的に据えるのは、55歳以上の管理職である。特に“部下なし管理職”への風当たりは強い。実はホンダの管理職の年収を含めた待遇は競合メーカーと比べても高く、ここにメスを入れようとしているのだ。

 ホンダが進めるシニア放出策は三つある。すでに導入した早期退職制度の導入に続いて、二の矢、三の矢を放とうとしているのだ。次ページでは、ホンダの無慈悲リストラの実態を明らかにしていこう。