BtoB(法人間取引)の原料供給が主流だった伊藤忠商事の食料カンパニーが、同社傘下のファミリーマートとの連携で新ブランドを作り、BtoC(消費者向け事業)に乗り出そうとしている。伊藤忠はこれを、連結純利益で1兆円カンパニーを目指すキーワード「利は川下にあり」の代表例にしようとしている。特集『伊藤忠 三菱・三井超えの試練』の#6では、三菱商事、三井物産を超えるための、伊藤忠の秘策に迫る。(ダイヤモンド編集部 金山隆一)
実は、伊藤忠は輸入食品のBtoB首位
消費者向け強化で、独自ブランド創造
伊藤忠商事の食料カンパニーが取り扱う商品にはカカオやパーム油、ツナ缶用原料のまぐろ、ゴマなど、輸入食品でシェアトップもしくは2位の製品が少なくない。
しかし、BtoB(法人間取引)の原料・食材供給ビジネスだけでは成長に限界がある。そこでいま注目しているのが、BtoC(消費者向け事業)へのシフトだ。その代表例が、卵やバターなど動物性食材を使わずにチョコレートなどを製造するスイーツの新たなブランド展開だ。これを、傘下のファミリーマートとの連携でBtoC戦略として展開しようとしている。
実は伊藤忠とファミマにはアパレル製品のブラント展開で成功したひな形があり、同様のビジネスモデルをスイーツでも展開しようとしているのだ。次ページでその戦略の詳細を明らかにする。食料カンパニーの宮本秀一プレジデントがもくろむ「三つの戦略」とは。