早慶がトップ2を独占
次点で関関同立、MARCH

 23年のランキングでは、ドコモグループは1位早稲田大学、2位慶應義塾大学、3位明治大学でトップ3は前年と同じだった。

 4位には前年8位だった東京理科大学、5位には前年9位だった立命館大学、6位には前年10位だった中央大学がそれぞれ上昇。7位は大阪大学(前年4位)と同志社大学(同6位)が並んだ。また9位には前年ランキング外だった東京工業大学が浮上し、法政大学(同5位)と同順位だった。

 KDDIは1位が早稲田大学で前年と同じだった。2位は慶應義塾大学(前年3位)、3位は横浜国立大学(同4位)、4位は明治大学(同7位)、5位は北海道大学(同6位)がそれぞれ上昇。前年2位だった上智大学は5位(北海道大学と同順位)、7位は前年4位の法政大学だった。

 また、前年ランキング外だった大阪大学が8位、東京理科大学と同志社大学が同順位の9位に浮上した。

 ソフトバンクは1位慶應義塾大学、2位早稲田大学、3位東京大学で、トップ3は前年と同じだった。

 前年ランキング外だった中央大学が4位、上智大学が5位、筑波大学が7位、千葉大学と大阪大学が同順位の10位に浮上し、前年10位だった立教大学が9位に上昇した。また、前年4位だった法政大学と関西学院大学がそれぞれ6位、7位となった。九州大学は前年と同じ10位だった。

 総じて見ると、早慶が3大通信キャリアで圧倒的な強さを見せていることがうかがえる。次点で関関同立、MARCHが来ており、旧帝国大学では3社全てにランクインしたのは大阪大学だけだった。

異業種参入と独自経済圏の形成
デジタル人材の需要が増加

 通信業界では、金融分野への進出が増えている。独自のポイント制度や電子マネー決済アプリなどを使って顧客を引きつけ、通信事業以外で収益を上げ、その収益を本業の設備投資に回す仕組みを作っている。

 また、モバイル事業の分野では、通信の枠を超えた独自の経済圏を作ろうとする異業種からの参入も見られる。

 こうしたさまざまな分野への参入に伴い、デジタル人材の需要が増加している。通信事業者は特に、金融系の知識を持つITエンジニアの採用に力を入れており、銀行などの金融事業者との競争が激しくなっている。そのため、優秀な人材を引き抜かれないように、働きやすさや年収の見直しが進み、採用戦略も変わってきた。

 技術開発では理系の知識が重宝されるイメージがあるが、実は文系の知見が生かせる場面も多い。例えば、製品購入の際の「カスタマーエクスペリエンス」(顧客体験価値)では心理学的要素が必要とされ、コンプライアンスやリーガルテックには法学的知識が求められる。

 そのため、文系でもIT系の資格を持ち、ITリテラシーが一定水準あれば、専門性の高い企業や部署に入り、キャリアアップする可能性がある。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

【ランキング表の見方】
医科・歯科の単科大等を除く全国749大学に2023年春の就職状況を調査。567大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」、京都大学は「京都大学新聞」より集計。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。企業名は大学通信の調査方法にのっとって表記しており、正式名称と異なる場合がある。(調査/大学通信)