「7月11日に日経平均株価は史上最高値(終値:4万2224円)を更新しました。前日のニューヨーク市場では、アメリカで根強いインフレが落ち着いて9月にはFRB(連邦準備制度理事会)が利下げに踏み切るとの観測が広がったことを受けて、ナスダックなど主要な株価指数が最高値を更新したのです。それにつられて日本市場でも半導体関連株が買われて日経平均株価が上昇しました」

「一般的には『まだまだ上がる』と思うでしょうが、私はその後『近いうちに調整するときが来る』と、思っていましたので、半導体関連に引きずられて株価が上がっている銘柄のほとんどを手放しました。株価のタイミングを見て利益確定売りをしてキャピタルゲイン『売却差益』を得るのが投資家の仕事ですので、“往(い)って来い”だけは避けたなければなりません」

「往って来い」とは相場がある水準まで上がった後に、もとの水準まで戻ること。日経平均が史上最高値を記録した7月11日の時点で含み益が出たとしても、今回の令和のブラックマンデーのせいで含み損が出てしまった、という人も少なくない。

「自分が保有している株価の値動きを毎日チェックする必要はありませんが、米国市場や海外投資家の動きなどのニュースには敏感になったほうがいいでしょう。特に海外の大口投資家は、保有する株数が多いので自分の株を売っただけで、株価が急落する恐れがあります。個人投資家はそのあおりを食らってしまうので、大口投資家が大量に株を売却するきざしが見えてきたら、株価が急落する前ぶれと判断して利益確定売りをする必要があるのです」