「史上最悪の大暴落」――。見たくなかった見出しが踊るここ数日、どれだけ冷静な人であってもつい関連記事を次から次へと開いてしまっているのではないか。今回の株価暴落とその後の急騰、いったい何が起きているのか。我々はこの現象をどう噛み砕き、消化すればいいのだろうか。(フリーライター 武藤弘樹)
史上最大の乱高下を
個人投資家はどう「消化」すべきか
生活が金銭的に楽になっている実感はまったく持てないものの、日経平均株価の調子は大変よろしく、1989年のバブル期にマークした過去最高値が今年2月から何度も更新され、現時点の最高値は7月11時点のものとなった。そして8月5日、1987年のブラックマンデー時を上回る4451円という史上最大幅の下落が記録された。これが翌6日は急反発。今度は前日比の上げ幅が過去最大の3217円となり、3万4675円で取引を終えた。
稀に見る激しい乱高下であり、広範囲に波紋が広がったことは言うまでもないが、特に動揺させられたのは知識と経験をまだ十分に持たない個人投資家であった。今年から新NISAが始まって、新しい個人投資家たちがマーケットに参入してきた矢先の出来事である。