筆者は定職に就いていないのをいいことに、短期投資を本気で勉強した時期があり、「1年以内に8~9割が退場」と言われている投資の世界で(※主に短期投資について言われているシーンが多いように感じる)、失敗を重ねながら1年以上生き残った上で、損益をプラスに持っていく技術を我がものとすることができた。

 当然プロに比べれば素人に毛が生えた程度のものではあるのだが、投資に一家言ありつつ感覚や視点が極めてアマ的であるからこそ、その観点から語れるものもあるのではないかと思う。今回の大暴落を日本マーケットはどう消化していくべきかについて論じたい。

初心者投資家に向けて
語られる「甘い言葉」

 まず今回の暴落だが、おおむね「アメリカの景気悪化を不安視して」というのがその主要因のようである。

 次いで、この暴落が経済に深刻な影響を与えるかについて、専門家および金融関係者は皆一様に楽観的である。事象をつぶさに観察すれば悲観するべき主だった材料がないからであり、この暴落は一時のブレとして消化されて大勢に影響しないと見られている。現に、前述のごとく株価は急反発を演じている。

 ああした「値動きのバグ」のごとき唐突な乱高下は投資につきもので、あとからその状況を見返せば大きな動きの中の一部として違和感なく収まるのも通例である。