まずは、「思い出したい!」「もう一度考えたい!」という情報を増やしていくことが大事です。

 覚えられなくなってきたと感じる人も、SNSやオンライン記事、動画など、情報自体には日々たくさん触れていると思います。

 ただ、ほとんどの情報は見ただけで、脳から捨ててしまっている。捨ててもいい情報にも大量に触れているために、長期記憶しておきたいことの区別がつかなくなっているのです。

 覚えたい情報を脳に長期記憶させる一番簡単な方法は、読んだことや聞いたことを自分で実践してみることです。

 本来、脳が長期記憶に残そうとするのは、自分が生き延びる上で必要な情報です。だからこそ、知ったことを行動に移し、「これは重要な情報だ」と脳に実感させることが大切なのです。

 また、文章を読むだけだと、脳の視覚系の機能を活用して「こういうことが書いてあった」と認知して終わりですが、書いてあったことを実践してみようとすると、「どうやったらできるかな」と理解しなければならない。それから、自分の体を使ってどうやるかも考えなければなりません。脳の思考系や運動系の領域も使わなければいけないんですね。

 脳が“大人”になっている30代以上の勉強では、このように脳の複数の領域を使うことが重要です。

勉強写真はイメージです Photo:PIXTA