「仕事以外できないオジサン」になってしまうのはなぜ?50歳が大きな分かれ道になるワケPhoto:PIXTA

「仕事以外のことに興味が持てない」――そう感じたことはないだろうか。実はこれ、脳からの危険信号かもしれない。慣れた仕事以外のことに脳が働きづらくなっている可能性がある。脳の老化を防ぐためのコツとは。前編に続いて、脳内科医の加藤俊徳氏に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・ライフ編集部 笠原里穂)

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仕事しかできない脳になる?
50歳前後が分かれ道

――学ぶことによって、脳内ネットワークが発達していくというお話でした。反対に、興味や疑問を持たず、新しいことを学ぼうとしてこなかった場合はどうなりますか?

 使わない脳内ネットワークは衰えていき、老化が進みます。こういった変化は50歳前後から始まります。

 例えば、車を運転するなら、整備された高速道路のほうがいいですよね。田舎の砂利道は走りにくい。脳も同じで、通りづらい脳内ネットワークは使いたくなくなるんですよ。その結果、慣れた仕事以外に興味がわかず、新しいことを面倒くさいと感じるようになってしまうのです。

 仕事だけやっていると、脳がどんどんシングルタスク型になってしまいます。なので、普段から趣味など仕事以外のことを並行してやるようにしておくといいですね。仕事以外のことを楽しみながらやる習慣がとても大切です。

 ただ、50歳になっていきなり、新しいことに興味を持とうとするのは大変。20~30代のうちに、興味を持ったり疑問に思ったりすることを習慣化することが肝心です。

 また、20~30代の時期に「やりたいけど忙しくてできなかったこと」をちゃんと覚えておくといいですよ。記憶として残っていれば、10~20年後に時間ができたとき、チャレンジするきっかけになりますから。