稲盛氏の「情熱」とスロットカー親子の「楽しさ」

《趣味がビジネスに発展する過程で「遊び」と「ビジネス管理」の間にパラドックスが生じていることが明らかになった。創業者たちは、ビジネスの真剣さを増しつつ、遊び心を保つために、対立する要素をバランスよく扱う必要があった。ビジネスに重点を置きすぎると、事業がプロフェッショナル化するにつれて、本来の趣味が単なるビジネス活動に変わってしまう可能性がある》

 稲盛氏もスロットカー親子も、仕事に「高いモチベーション」が必要であることは認識が共通している。一方で、稲盛氏の「情熱」とこの親子の考える「楽しさ」の違いには留意が必要であろう。

 このスロットカー親子にとってみれば、利益を追求するだけでなく「スロットカーの楽しさ」も忘れてはならない。それこそが仕事を続ける根源的な情熱だからだ。

 ひるがえって、稲盛氏は「働いている従業員と家族を食べさせていくために頑張ろう」という責任感と、「世のため、人のために尽くしていこう」という志が、仕事への情熱を生むと考えている。

 稲盛氏は、以下のように述べている。