アメリカでは複数の食品が組み合わさった「TVダイナー」と呼ばれるプレート型の冷凍食品が1950年代以降普及している。詳しい理由は後述するが、日本ではあまり馴染みがなかった。しかし、近年ハンバーグやカレー、肉を使ったおかずなどで白米も入ったワンプレート型の冷凍食品が販売されるようになり、市場も急速に拡大している。

 廣瀬研究員が注目しているワンプレート型の冷凍食品の一つが「冷凍のり弁」。弁当・惣菜専門店「キッチンオリジン」「オリジン弁当」を展開しているオリジン東秀(東京都調布市)が、今年2月に「冷凍のり弁当」を発売した。のりとかつおぶしがかかった白米と、白身魚のフライとタルタルソース、ちくわの磯部揚げ、きんぴらごぼうなど、店舗で販売されているのり弁当と変わらないと話題だ。

「私も日々の買い物で冷凍食品を購入する機会があり、いろんな商品を手にします。その中でも最近感動したのが『冷凍のり弁』です。特に白米がおいしくなっているのに驚きました」(同)

「冷凍のり弁」商品化に2年
苦戦した食材とは

「冷凍のり弁」を製造・販売するオリジン東秀外販部の金子雄也さんによると、冷凍のり弁として商品化するのに約2年もかかったという。実際にお弁当に使っている材料は、店舗で販売している商品と同じ食材を使っている。

「なぜ冷凍食品に『のり弁』を選んだのかというと、店舗で売り上げナンバーワンの看板商品をご家庭でも召し上がっていただきたいと考えたからです。また、オリジン弁当の店舗は関東圏・近畿圏しかないので、他の地域の方にも当社の商品を手に取って欲しいという思いから開発を始めました」

「実際はそう簡単でなく、店舗で販売している『のり弁』と同じ内容量にすると価格が上がってしまいますし、電子レンジで加熱する際にムラが出てしまうため、冷凍のり弁は店舗販売品よりも小さめになっています。小腹が減ったときや常備食としてだけでなく、ご高齢の方やお子さまにも食べていただけるサイズ感だと思います」(金子さん)