特にご飯は冷凍するのが難しい。ご飯は冷めることでデンプンの老化が進み、水分が抜けて風味が損なわれ、パサパサの状態になる。そのため、冷めた状態のご飯を冷凍すると、すでに風味の落ちたご飯を冷凍することとなり、やはり炊き立てと比較すると「おいしくない」と評価されてしまう。

 反対に、白米を炊きたての状態で冷凍すると、解凍時に米飯から水分が抜けて、蝋(ろう)のように硬くてボソボソとした食感になる白蝋化と呼ばれる現象が起こるそうだ。

 その一方で、解凍すると水っぽくなることもあり、白米を冷凍する技術は長年の課題だった。近年、冷凍技術の進歩で、できたてに近い味を実現できたという。

「ご飯も店舗のお弁当とまったく同じものを使っています。様々なメーカーの家庭用電子レンジで加熱の検証し、『冷凍のり弁』が最適に温まる加熱時間を調整し続け、かつおぶしはふんわりした食感に仕上げ、タルタルソースもクリーミー感が出るようにしました」

 同社は今後も店舗で人気のある商品を冷凍食品にしていくという。

 ワンプレートの冷凍弁当は、いずれもワンコイン(500円)以下と安価で購入できる。ストックしておけば、帰宅してから調理するのが面倒というときだけでなく、新型コロナやインフルエンザに感染した非常時にも使える。特にこれからの台風シーズンなど、スーパーに買い物に行くことができない災害時の常備食としてストックしておきたい。