●税・社会保険料の負担減(メリット)

 月2万円を拠出した場合、所得税は「12万4500円/年」から「11万200円/年」に減額。住民税は「22万7000円/年」から「21万3000円/年」に減額。合計2万8300円/年の負担減となります。

 標準報酬月額の等級は「41万円」から「38万円」に下がったことで、厚生年金の保険料は「45万180円/年」から「41万7240円/年」、雇用保険料は「2万8800円/年」から「2万7360円/年」 、健康保険料は「24万5508円/年」から「22万7544円/年」になり、社会保険料全体では、5万2344円/年の負担減となります。 

 税・社会保険料の負担減は、合計で8万644円/年 となります。

●将来の年金

 一方で、厚生年金の受給額は「67万4200円/年」から「62万4200円/年」となり、年間5万円の減額が予想されます(※4)。

 年間の減額では、それほど大きな差に感じられないかもしれません。しかし、厚生年金は亡くなるまで受給できるため、長生きすればするほど、受給額減が大きく影響することになります。

 仮に、65歳から85歳までの20年間受給したとすると、生涯の減額は100万円。90歳までの25年間で125万円、95歳までの30年間の受給で150万円の減額です。

 2万円を拠出した企業型DCは、25年間積み立てた場合、元本は600万円。年4%で運用できたとすると、約1023万円の資産となります(※5)。20年かけて取り崩したとすると、およそ年51万5000円の上乗せですね。

 単純計算で、厚生年金を22年以上受給しなければ、こちらの方が有利といえます。

 ちなみに、年3%の運用成績だった場合は約889万、2%では約776万、1%では約765万円になります(※5)。 

 企業型DCの運用商品は、定期預金など元本確保型・低利回りの商品ではなく、株式に投資するインデックスファンドなどで利回りを意識して運用した方が有利になるケースが多いでしょう。