役所&日銀出身の社外取締役「報酬」ランキング#2Photo:JIJI

「経産省内閣」ともいわれた第2次安倍政権下で、存在感が高まった経済産業省。産業振興を担う官庁だけに、社外取締役に就いているOB・OGの人数は財務省に次いで多く75人だった。特集『役所&日銀出身の社外取締役「報酬」ランキング』(全16回)の#2では、経産省出身者のランキングを作成。役員報酬額が高いのが特徴で、2000万円を超えたのは財務省を上回る8人、トップの金額は9904万円に上った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

米中対立で存在感が増している経産省
OB・OG社外取の推計報酬額を一挙公開

 第2次安倍政権で主席秘書官を務めた今井尚哉氏を筆頭に、「菊池桃子の夫」としても有名な新原浩朗氏。史上最年少の42歳で首相秘書官に抜てきされた佐伯耕三氏――。経済産業省出身者の活躍が綺羅星(きらぼし)のごとく目立った安倍政権は、「経産省内閣」ともいわれた。

 その後も米中対立の激化で国家間の分断が広がる中、経済安全保障の重要性は高まるばかりだ。産業振興を担う経産省は、最先端半導体の量産を目指すラピダスへの融資に政府保証を付ける案を打ち出すなど、近年その存在感をますます増している。

 今回は、経産省を出身母体とする上場企業の社外取締役75人を取り上げてみたい。民間企業や財界との接触が多い同省は、12ある府省の中で財務省に次いで社外取の人数が多かった。

 ダイヤモンド編集部は、経産省OG・OGの社外取が受け取っている総報酬額を独自に試算。その結果、2000万円を超えたのは財務省を上回る8人で、トップの金額は9904万円に上った。他の省庁と比べ、役員報酬額の高さが浮き彫りになった。

 それでは早速、詳細を見ていこう。ランキングの中で、再就職先の「社名」や「兼務社数」「推計報酬額の合計」といった項目を見ていけば、社外取としての働きぶりが待遇に見合うものかどうかがチェック可能だ。ちなみに今回のランキングでは、大物秘書官だった今井氏の報酬額も確認できる。

 また、経済産業事務次官や資源エネルギー庁長官、製造産業局長や商務情報政策局長などといった「役人時代の主なポスト」は報酬額と強い関係があり、必見の内容だ。