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 私は第一次安倍政権退陣後も、安倍元総理の体調が戻った頃から、再び総理・総裁に返り咲いてほしいと思って、何度も直談判しに行っていました。

 派閥の役割というのはひとえに、政策を磨き、総裁選で独自候補を出すことにあると考えていました。

 過去に清和研が独自候補を擁立できなかったときに、清和研(町村派)の総会で「せっかく政策をたくさん作ったのに、独自候補を立てられないような派閥では駄目だ」と主張したのです。

 ところが私の発言を覚えていてくださっていた町村信孝元会長から平成23(2011)の夏に「私は、来年の総裁選に出ることにしたから、よろしく頼むよ」と言われてしまって。そのときにはすでに安倍元総理に何回も直談判した後でしたから、「しまった!」と。

 この状況で、派閥に所属しながら派閥の長を応援しない、というのは矛盾していますから、悩みに悩んだうえで派閥を退会しました。退会の理由は、「派閥の会費などが払えなくなりました」といった適当なものにしました。

「どうするんだよっ」安倍元総理が高市早苗を叱った深いワケ高市早苗氏 Photo by Wataru Mukai

 翌年の総裁選直前に退会すると、お世話になった町村先生のお顔を潰すことになりますので、1年以上前に退会しましたが、他方、翌秋に安倍元総理が立候補してくださる確証もない時期でしたので、不安と淋しさでいっぱいでした。退会時に、安倍元総理にだけは本当の理由をお伝えしましたが、まだ立候補の決意をしておられたわけではなかったので、「1人になっちゃって、どうするんだよっ」と、ひどく叱られました。

――そもそも自民党議員は、どうしてそこまでしてお金を集める必要があるのでしょうか。