ロイホに見る「合理」と「非合理」

【ロイヤルホスト】ハリウッド女優も絶賛した「伝説のメニュー」がウマい!プチ贅沢ならロイホ一択と断言できるワケPhoto:Diamond

《夢を見ますね。いつも夢を描きます。こうありたいといった夢をね。それをいい言葉でいうとロマンということになるんでしょうね》

《ですから、うちの仕事の中には、単にお酒を飲ませる店とか、女性を主体にした店とか、そういうものはうちの歴史の中にはありません。あくまでも健康的な、そしてファミリーな、国民生活の向上に密着したものなんですね》

週刊ダイヤモンド、1983年1月8日号

 最後になるが、ロイヤルホストにある種の合理性と非合理性が混ざっているなと感じる。

 以前あったようなスタッフがコーヒーを注いでくれるサービスは消えて、他のファミレス同様のドリンクバーを採用する一方で、料理はきちんとしたままだ。接客スタッフの数も、他のファミレスよりは多めにいる。

 利益を出すために、料理を安くつくることは簡単だ。しかし、ロイヤルホストはそれをやっていない。もちろん実際には価格を意識しないハズはないが、「安く作ろう」という思惑がメニューからは一切感じられず、コンセプトにもブレがない。料理人の気概を感じるのである。

 経済合理性は追求しながらも、お客が大切にするところは残す。これがロイヤルホストの「おもてなし」ということなのだ。