「それに、中学生の頃に家出をしたときも、勉強が嫌だから家を出ていったんでしょうと、母は私を心配することも探すこともしなかった。どんなことがあっても生き抜いて、自分の言葉で伝えると決めたから、今生きているんです。育ててもらったかもしれないけれども、生きていることについてはあなたのおかげじゃありません』と、はっきり言いました」

「『田舎に移住したのは受験から逃げるためでしょ』、とも言われたこともあります。『私はお母さんが言ったように、まずは読み書きそろばんができることが大事で、勉強は自ら学ぶべきものだと思ったから、塾の無い田舎で子育てをしている』という話をしたら、黙っていました」

　その一件があってから、母親が攻撃することがなくなったという。

ただ会話の中でマウントを取りたい、自分を認めさせたい、自分の思う通りにコントロールしたいだけなので、これからは毅然とした態度で言い返して、自分の考えを話せばいいと思うと、気が楽になった。

教育虐待をした毒親と
“絶縁しなかった”深すぎる理由

　E子さんは自分の子どもたちには、子どもの思いをまずは聞くことを大切にするようにしているという。自分が体験できなかった親子関係を、今は自分の子どもたちと作り上げていきたいと思い、愛情を注いでいるという。

「誰が聞いても、親とは縁を切るべきだと言われます。ですが、自分が誰にも向き合ってもらえず、誰にもわかってもらえなくて、孤独で、死ぬほど苦しかった。親を無視することは、それを自分がする立場になるし、その姿を子供たちに見せたくはありません。私から連絡することはないけれど、親からの連絡を無視することは難しい」