E子さんの結婚後、母にとって家の中でマウントを取れる人がいなくなった。その矛先は父と兄に向かい、2人は今、母との連絡を絶っている。

「父からは後日、『母がやっていることは常識を外れている。自分や兄はお前が結婚したあと、母から色々言われて酷い思いをしてきた。兄は特に家庭のことも言われて可哀想だった。お前だけはそんな目に会わずに済んで良かった』と言われました。いまだに兄の暴力的な性格を認めることはありません」

「最近、家族の不仲が明るみに出てきて、親戚たちがオセロがひっくり返るように私がどれだけ大変な子ども時代を過ごして来たのかを理解してくれるようになりました」

孫の教育方針に口を出す
毒母を黙らせた娘の見事な返し

 人口約8000人の町に転居してからも1年に1度ぐらい、母は連絡をして責め立てた。たいていはお金の話だった。あるとき、「お母さんに、金を返してくれと言わなきゃいけないような親子関係は築きたくないから、絶対にお金を貸さない」と言ったら、それ以来お金のことで連絡はしてこなくなった。最近、E子さんの誕生日に電話をかけてきたときも、最初は世間話のつもりが、いつの間にか言い争いに発展した。

「誰のおかげで生きているんだと言われたときに、『今生きているのはあなたのおかげではありません』と返しました」

「小学生のとき、鏡の中の自分と会話している私を見て、母は馬鹿にして笑いました。その後も笑いのタネにされました。実はあのとき『死んでこの苦しみを訴えたい。でも、死なせてしまったという苦しみを家族に一生背負わせてもいいのか』と、鏡に向かって自問自答しながら、自分を励ましていたのです」