しかし、誕生日に打った2本を含む20歳になってからの大谷の数字を見ると、97打数25安打、ホームラン7本、ホームラン率は13.86。この数字はジャイアンツでプレーしていた10年間に松井秀喜が記録した13.77に近い。それほどの確率でホームランを打てるようになったきっかけが、この20歳の誕生日に打った2本のホームランだったというわけだ。それはいったい、どんなホームランだったのか。
2014年7月5日――大谷は千葉で行われたマリーンズ戦で、初回、藤岡貴裕の投げたストレートをレフトスタンドへ叩き込んだ。さらに最終回、今度は金森敬之の内角へのストレートをライトスタンド上段へ突き刺した。自身初の1試合2発を大谷はこう振り返っている。
センターから左への打球も
遠くへ飛んでいく理由
「最初のホームランは変化球をイメージしていて、ストレートに反応できた感じでした。打席ではいつも、変化球はこうやって打とう、まっすぐならこうやって打とうという感じでいますからね。変化球を待ってストレートを打ったホームランでしたから、嬉しかったんです。2本目はまっすぐを狙って、まっすぐを打ちました。まっすぐが来そうなカウントで、まっすぐが来て、そのまっすぐを狙って、思いっ切り振ったらホームランになった(笑)。これ、バッターとしては一番、気持ちいいんですよ」