下図は、キャラクター関連ビジネスの売り上げ比率を企業ごとに推計したものです。サンリオはこの値が圧倒的に高く、世界的にもユニークな会社であることがわかります。バンダイナムコはモバイルゲームや家庭用ゲームソフト、ディズニーはディズニーランドなどのテーマパーク事業はもちろんのこと、ストリーミングのディズニー・プラスといったキャラクタービジネス以外の事業も一定規模で展開している一方、サンリオは、キャラクタービジネスこそが大黒柱なのです。

・セグメントが一致しないため、推計であることに注意。サンリオは商品販売及びライセンス、バンダイナムコはトイホビー、オリエンタルランドはテーマパーク商品販売、ウォルト・ディズニー・カンパニーはContent Sales/Licensing and Other+Parks&Experiences merchandise, food and beverage+Merchandise licensing and retail
・ウォルト・ディズニー・カンパニーのみ23年12月期。それ以外の各社は23年度各社有価証券報告書から

サンリオの「稼ぐ仕組み」
粗利率は7割超え!

 サンリオのキャラクタービジネスを支えるのは、ライセンスによるロイヤリティー収入です。24年3月期には、999億円の売り上げの40%、実に398億円がライセンスによるロイヤリティー収入となっています。

 サンリオのビジネスの特徴を、さらに、売上高に対する収益性の視点からも見てみましょう。

 収益性、つまり「企業が利益を上げる力」は、「売上高総利益率」「売上高営業利益率」「売上高経常利益率」などの指標で見ることができます。特に、「売上高総利益率」は、サービスや商品そのものが付加価値を生み出す力、収益力を端的に示します。

 売上総利益とは、売上高から売上原価を差し引いたもので、粗利とも呼ばれています。ライセンスビジネスではモノを製造するわけではないので、原価率は低く、売上総利益は高いと考えられます。すなわち、サンリオの売上高総利益率は他企業に比べ高いことが予測できます。