──年内入試を筆頭に、今は大学の選抜方法も変わってきていますよね。

 学校によって相当な温度差があるのは否めません。いわゆる進学校の子だと年内入試で決めることはほとんどない。今まで通り一般入試で大学に入ります。早稲田が一般枠を70%から40%に減らしたものの、皆さんが行きたいと思うような大学は、まだまだ一般入試の比率が高くなっています。

 今は従来通りに一般入試で頑張る層と年内入試に舵を切る層に受験生が分かれています。年内入試も難易度はさまざまですが、ほとんどの年内入試の子たちには、勉強漬けになる大学受験の大変さを経ずに、早々と大学を決められるのがメリットだと思われているようです。

──文部科学省が公表した大学・短大の2022年度入試に関する調査では、私立大学は入学者数ベースで全体の6割を年内入試が占めているという結果が出ています(参考:令和4年度 文部科学省委託調査 「大学入学者選抜の実態の把握及び分析等に関する調査研究」)。

 これからは、日本もアメリカのSAT※のような選抜方法に移行していくのでしょうか?
(※SAT®(エス・エー・ティー)=アメリカの大学進学希望者を対象とした標準学力テスト)