これまで日本の政治が何も決められない、何も変わらないという閉塞感があったのは、冒頭で述べたような「ハネムーン期間」に象徴されるように、政治家も官僚もそしてマスコミも同じ「ムラ社会」の中で「なあなあ」で物事を進めてきたからだ。

 集団合議制の中で、派閥の力学とキングメーカーが利権を調整して「落とし所」を決める──。人口も増えて日本が成長をしていく時代はそれでもうまくまわったが、これからの日本には「ムラの論理」から外れて、人々が目を背ける利権などに手を突っ込むことが求められる。

 つまり、今の日本に必要なのは「仲間に嫌われてもやるべきことをやるリーダー」だ。それが石破氏なのかどうかは現時点ではわからないが、そう願う。

 これからどんな「石破叩き」が始まるかも含めて、注目していきたい。

(ノンフィクションライター 窪田順生)

「石破おろし」がハネムーン期間ゼロで始まる?自民党保守派が狙う「新政権のアキレス腱 」とは