「庶民感覚」掴むための章男氏の努力

 小山氏のnoteにはこの後「バスタオル」をめぐる、章男氏の名言(迷言?)も登場するのだが、それはぜひ本文を読んで確かめてほしい。

 章男氏が志向する「庶民感覚」はどこか浮世離れしている。一方で、彼の真面目さが笑いを誘いながらも、同時に人々に愛される理由になっていることは疑いの余地がない。

 小山氏は、友人である大輔氏が「普通」であることに驚きと評価を感じている。そして、豊田家という特別な環境で育ちながらも「普通」でいることができるという点を「脅威」と表現している。

 章男氏は自分なりの考えに基づいて、庶民感覚を理解しようと努めた。「普通」であることの重要性を子どもたちに教え、結果的にそれを身につけさせることに成功したのだ。勘違いした御曹司が目立つ世襲政治家の世界を思うと、こうした教育の重要性が非常に際立って感じられる。

 章男氏のこうした庶民感覚とのズレと、そのズレを必死に修正しようとする生真面目さに、私は彼の経営者としての資質を強く感じる。

 庶民感覚とのズレに関連して、まず思い浮かぶのは「トヨタイムズ」という自社メディアの存在だ。