大学格差#4Photo:PIXTA

親世代が受験生だった30年前は受験人口がピークを迎えた頃で、熾烈な受験戦争が繰り広げられた。それに比べて今は少子化で、私立大学の過半が定員割れ。競争のレベルがまるで異なる。もっとも、ギャップが生まれるのは、親世代と子世代の間だけではない。同じ子世代でもきょうだいで入りやすさに差が生まれている。特集『大学格差』(全20回予定)の#4では、首都圏の私立大学、関西の私立大学、国立大学について、偏差値帯別の合格率の推移をお届けする。難関大学ですら、この5年間でより入りやすくなっている。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

同じ子世代であっても
数年の年齢差で入りやすさに差

「ギリギリ『日東駒専』(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)というレベルだった受験生がタイムスリップして今、自分の子どもの代わりに受験したら、『早慶』(早稲田大学、慶應義塾大学)に十分チャレンジできる」。河合塾教育研究開発本部の近藤治主席研究員は、親世代が受験生だった30年前と今の受験難度のギャップをそう表現する。

 30年前は受験人口がピークを迎えた頃で、熾烈な受験戦争が繰り広げられた。それに比べて今は少子化で、私立大学の過半が定員割れ。競争のレベルがまるで異なる。

 ギャップが生まれるのは、親世代と子世代の間だけではない。同じ子世代でも、数年の年齢差で入りやすさに差が生まれている。

「日東駒専に受かっているお兄ちゃんお姉ちゃんと同じ学力の弟や妹が今受験生なら、MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)に十分挑戦できる」と近藤氏は言う。

 この発言の根拠となるのが次ページ表だ。