そのようにして心に余白ができると、人の話を聞く余裕も生まれます。勝手に相手に期待してイライラを募らせるより、何かやってくれたら「嬉しい!」と思えるほうが、人間関係もコミュニケーションも円滑になります。

相手には無関係の自己都合
「私の常識」を押し付けない

 記者業で3000人、接客業と合わせると1万人以上の人と接してきて、悪気なくやってしまいがちだけど絶対にやってはいけないとわかったことがいくつかあります。

 その最たるは、常識の押しつけです。「普通は~」「みんなは~」「世の中は~」「うちの会社は~」「そんなの当たり前」「そんなことも知らないの?」と言ってしまう人は要注意。無意識のうちに相手に「私の常識」を押しつけている可能性が高いです。

 私も、記者になって数カ月の頃、こんな押しつけをしてしまったことがあります。

 売れ筋の最新家電を紹介する記事を担当し、各商品の写真掲載のために都内の大型家電量販店で写真を撮らせてもらう必要がありました。しかも「今日中に全ての写真をそろえるように」という上司からの依頼……もう時間がありません。

「売れ筋の最新家電をご紹介する企画で、本日、今からお店の一角をお借りしてお写真を撮らせていただきたいのです。来週発売号でして……」