コンビニを大きく上回る施設数
深刻な経営者の高齢化

 厚生労働省のデータをみると、2000年に6万3293だった歯科医院施設数はその後17年間にわたり増え続け、2017年に6万8933施設とピークに達した。

 しかし、その後は一転。7年連続で減少し続け、2024年は6万6689施設となった(施設数は各年6月末の数値)。20年前(2004年)と比べると317施設増えているが、10年前(2014年)からは2116施設減少していることになる。

 それでも約5万7000とされるコンビニ店舗数を1万近くも上回っており、競争は熾烈だ。

 近年、新設される多くの歯科医院は、インテリアにこだわったり、駅近や夜間診療を売りにしたり、医療モールや商業施設に入って他のクリニックや店舗との相乗効果を狙うほか、なかには若い院長自らが広告塔となって、ロードサイドに大きな顔入り看板を立てるなどして存在をアピールする施設もある。

 こうした新興施設の競争が激しくなる中で、古くからある個人経営の歯科医院では経営者の高齢化がさらに進み、設備投資も積極的に行えず減収を余儀なくされているようだ。

 帝国データバンクのデータベースから全国約3100人の歯科医院経営者の年齢分布を調べたところ、最も多いのは構成比36.0%の60代で、70代、80代を含めた60代以上の経営者は全体の59.1%を占めた。

 一方、40代は13.9%、30代以下は2.0%で合わせて15.9%。70代と80代以上を合わせた23.1%よりも7.2ポイント低い状況となっており、高齢化が深刻だ。