電子カルテ義務化の流れも影響
倒産・廃業のピークはこれから

 歯科医師に定年はないものの、後継者がおらず、経営者の年齢が70歳を超える施設については、今後、時間の経過とともに、健康上の問題などを理由とした「廃業」の増加が確実だ。また、一定数の事業者は借金を完済できず「倒産」(法的整理)を選択することになるだろう。

 廃業については、業界に詳しいある関係者は「電子カルテの義務化の流れをきっかけに、電子化への対応が難しい、できないと考える高齢の先生を中心に廃業を検討している施設が増えている」と話す。帝国データバンクの調査では、2023年度の歯科医院経営事業者の休廃業・解散件数は、倒産の4.6倍となる110件確認され、過去最多を記録。10年間で約3倍に増えた。

 歯科医院の倒産・廃業が減少する要因は見当たらない。現在の倒産急増は、今後いつしか迎えるピークに向けた過程であると言えよう。