「メニュー削減」実は以前から

カラクリを知るとハッとする…!サイゼリヤのメニューに隠された「秘密」とは?サイゼリヤのミラノ風ドリア Photo:Diamond

 実際、2008年に発行されたサイゼリヤ社の「第36期 年次報告書」には、「商品の磨き上げを行うとともに、メニューの品目数を絞り込みマネジメント力の向上に努めた」と記載されている。メニューの絞り込みは長年続けてきた取り組みなのだ。

 これにより、サイゼリヤの店舗運営は安定し、低価格の維持という大きな戦略目標を達成し続けてきたのである。こうした歴史を考えると、今回の「メニュー数削減」の報道は目新しいものではなく、むしろこれまでの延長線上にある施策であることが理解できるだろう。

 今回は、サイゼリヤのメニュー構成について考えてみることにしよう。レストランのメニューにおけるアイテム数は、顧客の立場からすれば、選択肢が多ければ多いほど嬉しいと感じるかもしれない。

 逆に、店舗の運営者側から見れば、メニューが少ない方が在庫管理が簡単になり、調理の手間も軽減されるため、できるだけ減らしたいと思うのが普通だろう。したがって、多くの人は「メニューの数は、そのバランスをどうとるかが重要だ」と考えるかもしれない。

 しかし、実際には単純に「多い方がお客にとって良い」という問題ではないようだ。ある研究がその点を明らかにしている。