10月、テスラがハンドルもアクセルもない自動運転車とバスを発表し、無人で自動運転するタクシーが話題になっている。アメリカでは一部で自動運転タクシーが実用化されているが、さらに先行しているのが中国だ。数年前から複数の都市で走っており、利用者も増えている。価格や安全面はどうか、トラブルや事故は起きていないのか……市民の反応を紹介する。(中国アジアITライター 山谷剛史)
テスラが完全自動運転タクシーを発表
10月10日、テスラが自動運転タクシーの試作車「Cybercab」(サイバーキャブ)を発表し、話題になっている。サイバーキャブはカメラとAIによる自動運転で自走する、完全自動運転車だ。
サイバーキャブには、他メーカーが自動運転車に搭載している各種センサーがなく、人間が操作するハンドルやアクセルをなくすことでコストダウンしているようで、イーロン・マスク氏はサイバーキャブの価格が3万ドル(約450万円)を下回る予定だと発表、大きな反響を呼んだ。2026年の生産開始を目指しているという。
このような自動運転車を使った配車サービスを「ロボタクシー」と呼ぶ。アメリカでもサンフランシスコなど一部の都市でロボタクシーが実用化されているが、この分野では、アメリカや日本よりも、ずっと進んでいるのが中国だ。数年前から複数の都市でロボタクシーが走っており、スマホにアプリを入れておけばロボタクシーに乗ることができる。
「Apollo Go」はタクシーより安価。意味は「速く走る大根」?
中国では「自国のインターネットは自国で管理する」という基本方針を元に、外国のサービスを模倣し立ち上げ、中国独自のサービスに成長させている。自動運転も例外ではなく、AIや自動運転に力を入れるバイドゥ(百度)など、さまざまな企業が参入している。
ロボタクシーに関しては、バイドゥの「Apollo Go(中国語名:Luobo Kuaipao)」や、ポニー・エーアイ(小馬智行)が中国各地にサービス展開している。ちなみにLuoboは中国語で大根(白いLuoboは大根、赤いLuoboでにんじんというケースもある)、Kuaipaoは素早く走るという意味だ。