ロボタクシー、今なら1回百数十円で乗れる

 家の近くにApollo Goの乗車地点があるので200回以上利用しているという、ある女性ヘビーユーザーのレビューもあった。家から4km先の地下鉄駅前や、ショッピングモールに移動するのによく使っている。移動しやすいだけでなく、個室空間になるので大音量で好きな音楽が流せることもロボタクシーを利用する理由だという。

Apollo GoApollo Go。スマホで予約し、暗証番号を入力して乗り込む。タクシーと同様に、お客は後部座席に乗る(公式サイトより)

 彼女がこれまでApollo Goに支払った総費用は1170元、1回あたり5元ちょっと。日本円で百数十円で利用している計算になる。多くの人にまずは利用してもらうために補助金を投入し、安い運賃を提供しているので、黒字になる価格設定ではない。

 中国では以前、シェアサイクルや配車サービスなどはいずれも、最初は特別価格で格安だったが、利用者が増えてサービスが根付いてからは値上がりしている。例えばシェアサイクルは、昨今は利用価格が当初の数倍にもなっている。ロボタクシーも今の価格は期間限定の特別価格なのだろうが、“おトク”は利用者の背中を押す。

 この女性によれば、これまで乗っていて交通事故に遭遇したことはなく、最初は走る速度がもう少し遅く、サポートのスタッフが1人2人乗っていたが、その後速度は上がって完全に無人運転になったという。また最初の頃は大きな街路樹を人と認識して車が止まることがあったが、そうした問題もなくなったという。

 とはいえ、実際に全く事故は起きてないかというと、そうでもない。2022年には、通常走行していたところにトラックに追突され、車両の左後部がひどく損傷するといった事故、2024年には信号無視で横断歩道を渡っていた人と軽く衝突したという事故が発生している。いずれも、ロボタクシーより相手方に非のあるケースの事故だった。