建仁寺塔頭と円山公園で紅葉の一服
建仁寺で紅葉に浸った後は、その塔頭(たっちゅう)寺院にも立ち寄ってみましょう。まずは、北門東側の西来院(せいらいいん)。開山の蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)は建仁寺11代目住職で、今年750年遠忌にあたります。この春から、1000株ものランの花、庭園、天井の白龍図など、多彩な見どころが一般公開されています。境内には、サンフランシスコ発ブルーボトルコーヒーの白いトラックが停車していて、宇治茶の老舗辻利とコラボした限定抹茶ラテを販売中。ドリンクを片手に、苔×白砂のモダンな枯山水庭園と紅葉をめでることできます。
建仁寺境内の北側、団栗通(どんぐりどおり)を挟んだ向かいには、塔頭寺院の正伝永源院がたたずみます。織田信長の弟で茶人の織田有楽斎ゆかりの正伝院と、熊本藩主細川家の菩提寺永源庵が融合し、一つの寺院となりました。通常は非公開ですが、11月6日から12月5日の間に「秋の庭園特別公開」が行われます。狩野山楽筆のふすま絵「蓮鷲図」、有楽斎が建てた国宝の茶室「如庵」(復元)が見どころで、江戸初期築の趣ある方丈からは、松の緑と紅葉のコントラストが楽しめます。
正伝永源院から東へ十数分歩くと円山公園に着きます。「祇園しだれ桜」がシンボルとなる桜の名所として有名ですが、実は紅葉の穴場スポットでもあります。池に移る紅葉を眺め、橋を渡った東側一帯をそぞろ歩いてみましょう。ちょっと一服したいときは、池の畔にある「eXcafe祇園八坂」で、円山公園の紅葉を眺めながらカフェタイムはいかがですか。小さな七輪であぶり、好みの香ばしさに仕立ててからいただくお団子と抹茶のセットが人気です。