日本人は1000年以内に消える「絶滅危惧種」→そんな日本より先に消滅する国とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

100歳以上が9万2000人いる世界最長寿国・日本。そんな日本も、生涯未婚率は直線的に上昇し続け、出生率は上がらないのが現状だ。今のペースが続いた場合には、2130年に男性未婚率が100%になり、日本人はあと1000年以内に消滅する絶滅危惧種と示すデータまである。医師である黒木登志夫氏が掲げる、出生率を上げるためのたった1つの方策とは?本稿は、黒木登志夫『死ぬということ 医学的に、実務的に、文学的に』(中央公論新社)の一部を抜粋・編集したものです。

100歳以上は9万2000人
世界のどこでも女性の方が長生き

 厚労省は、2023年の敬老の日の「100歳以上人口」は9万2139人と発表した。人口の0.074%になる。その88.5%は女性である。53年連続で増加中というから驚く。私もあとたった12年で100歳だ。とはいうものの、100歳まで生きるのも大変だろうし、考えてしまう。

 ちなみに、イギリスでは、100歳になると国王(少し前まで女王)からお祝いのカードが贈られる。その次は105歳、その後は毎年贈ると政府のホームページに出ている。どこの国でも100歳はめったに到達できない数値目標なのだ。

 世界の国々の男女の平均寿命をまとめた図がある。それを見ると、19世紀以降は、調べられているすべての国で、女性の方が男性より長生きである。しかし、なぜかについての正確な答えはない。

 男性自身が作った男性優位の社会の下、男性はより多くのストレスにさらされ、男性は自らを短命に追い込んだという説明が一番説得力があるように思える。寅さんがいうように「男はつらいよ」なのだ。

 女性が長く生きるのは、孫の世話により種を守るためという「おばあちゃん」仮説がある。