毒にも薬にもならない回答をされれば、「私がどうしてこういう悩みを抱えているか、上司として普段から全然見ていないんだな」とか、「結局面倒くさいと思っているんだな」と感じてしまい、一気にモチベーションが下がります。結局、自己解決するしかなく、その自己解決にも限界がきて、退職をしていく……。そんな光景を何度も見てきました。

 こういう上司のもとで仕事をしていても、成長できない。自分がいつか部下を抱える立場になった時に、的確なアドバイスができないという危機感を覚えてしまうのです。このように、「向き合っているようで向き合っていない上司」のチームも、成長意欲が強く、優秀な人から離脱していく傾向があります。

働く目的がバラバラでも離職が少ない
「成長が実感できる」チームとは?

 離職者が少なく、パフォーマンスがいいチーム――その共通点は、「成長が実感できること」です。

 一人一人、働く目的はそれぞれだと思います。スキルを身につけるため、お金のため、中にはまだ目的が見つけられておらず、その目的を探すために働いているという方もいると思います。

 こんなふうに目的はバラバラでも、一体感があり、離脱者が出ないのは、成長を感じられるチームだからです。