今年は「ネット受信料」もネックに

「相変わらず若い世代の視聴者層を意識したセレクトですが、昨年の過去最低視聴率からの回復ができるかというとはなはだ疑問です。今年は出場歌手の発表が当初の予定より1週間延期となり、その背景にSATRTO社との交渉難航があると言われていました。実際に旧ジャニーズ勢の出場はゼロとなったことからも、NHKとしては大きな誤算だったのではないでしょうか。昨年話題となったAdoやYOASOBIも出ません。今後、放送当日ギリギリまで『特別枠』での大物アーティストとの交渉に精力を注ぐことになるでしょうが、今年は例年以上に“数字”が求められるだけに厳しい状況になりそうです」

 紅白といえば、昨年は平均世帯視聴率が第一部で29.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と初めて30%を割り込み、第二部も31.9%と前年よりも3.4ポイント下げ、二部制となった1989年以降で歴代最低視聴率を記録した。

 もちろん昨年の“汚名返上”が期待されているわけだが、今年は巻き返しを図らなくてはならない別の事情もあるという。

「今年5月、NHKにインターネット業務を義務づける放送法改正案が成立しました。その“必須業務”であるネット活用業務を来年度後半をめどに開始するにあたり、10月にはネット配信のみでNHKの番組を視聴する場合の『ネット受信料』について、地上波契約と同額の月額1100円にすることを発表したばかりです」(同)

「ネット受信料」が世間の注目を集める今、NHKとしては「紅白」においても受信料を払う国民を納得させる結果が求められるのだ。

 そうした中、視聴率を獲得するうえで心強いパートナーとされていたのが、旧ジャニーズ勢のアーティストだった。すでに旧ジャニーズの“復活”が頓挫し、早くも暗雲が立ち込めているが、それ以外にも不安要素は尽きないようだ。放送作家はこう話す。

「昨年に引き続き司会を務める有吉弘行さんは『フワちゃん騒動』の対応に一部から批判的な声が噴出し、これまでより好感度を下げている印象です。橋本環奈さんに至っては担当マネジャーへのパワハラ疑惑を『週刊文春』に報じられて物議を醸しています。NHKとしては思惑が外れたかっこうでしょう」