飛行場に入る車両は全て
タイヤの溝に小石が挟まっていないかチェックする
「パンクではありません。タイヤの溝に小石が挟まっていないかどうかチェックしているのです。飛行場に入る車両は全て、こうしてチェックしています。万一、タキシングレーン(誘導路)や滑走路で小石が脱落して、ジェットエンジンに吸い込まれたりしたら大事ですからね。ご存じの通り、戦闘機のジェットエンジンは旅客機の倍もある強大なパワーを持っています。燃焼ガスを吐き出す力も大きければ、空気を吸い込む力も強い。滑走路に何か物が転がっていたりしたら、吸い込んでエンジンを壊してしまう可能性もある。小石一つが命取りになりかねません。だからこうして毎回クルマから降りて確認しているのです。はい、左前輪ヨシ」
F-15のジェットエンジン出力はおよそ20万馬力。鉄腕アトムの倍である。整備士やパイロットだけでなく、基地の人たち全員が、細心の注意で大切に大切に扱っているのだ。
つい先日、航空自衛隊岐阜基地で開催された航空祭で、使用が禁止されている椅子やレジャーシートを持ち込んだ上に、使用をとがめられて話題となった輩がいたが、全くもって言語道断。国賊レベルのアホである。
早期警戒機E-2Cは
何をする飛行機?
誘導路に入り、E-2Cが収まる格納庫に向かう。
左側に翼を折りたたんだE-2Cが何台か駐機されている。
よく見るとプロペラの形状が違うのが分かる。プロペラが4枚の機体と、8枚の機体があるのだ。
航空自衛隊 警戒航空団 第603飛行隊長 坂田篤史2等空佐(以下、坂):ようこそ、那覇基地へお越しくださいました。こちらに停まっているのが、E-2C早期警戒機です。アメリカのノースロップ・グラマン社の製造です。この飛行機の役割はたくさんあります。まず低空侵入機の早期発見、そしてその対処の迅速化。地上レーダーサイト機能の代替という役割もありますし、通信の中継も行います。また場合によっては捜索や救難も行います。
坂:管制官も乗っているので、通常の交通管制ではなく、兵器管制ができます。コックピットにパイロットとコ・パイロット。その他、レーダー操作等を行う要員が乗ります。