E-2Cの機体は
意外にコンパクト
E-2Cはものすごく大きく見えるが、実はコンパクトな機体だ。戦闘機と比べてもあまり意味はないのだが、近くに止まっているF-15戦闘機と大きさを比べてみよう(※数字は防衛省/航空自衛隊のサイトより引用)。
F-15(イーグル)約19.4メートル
E-2C(ホークアイ):約17.6メートル
2: 全幅(翼幅)
F-15:約13.1メートル
E-2C:約24.6メートル(主翼折りたたみ展開時)
3:全高
F-15:約5.6メートル
E-2C:約5.6メートル
4:最大離陸重量
F-15:約3万845キロ
E-2C:約2万4720キロ
横幅こそE-2Cの方が大きいが、長さも高さもF-15の方が大きい。そして最大離陸重量は、圧倒的にF-15の方が大きい(多量のミサイルや弾丸を積むのだから当然なのだが)。このコンパクトな機体の中に、精密な探索装置がみっちりと積み込まれているのだ。
坂:E2-Cの大きな特徴は、何といっても機体の上に載っているこの円盤です。直径は約7.3メートル。あの中にレーダーが入っています。あそこから電波を発信して、はね返ってきた電波を受信して探索するレーダーです。
F:あの円盤自体がレーダーではないのですか?
坂:あの円盤はレーダードームと呼ばれる、いわばレーダーのカバーです。レーダーが剥き出しだと空気抵抗が大きくなりますし、風圧で壊れてしまう可能性もある。着氷を防ぐ狙いもあります。あの大きな円盤がぐるぐる回転し、360度全集を監視することが可能です。操縦席からもバックミラーで円盤を見ると、ぐるぐる回っているのが確認できます。
F:ずいぶん大きな円盤ですね。あの円盤自体に揚力はあるのですか?
坂:あの円盤自体にも揚力はあります。仰角を調整して揚力の調整をすることも可能です。もちろんあの円盤がなくても飛ぶことは可能です。米軍で空母に搭載する機体は、皿を外した状態で飛んでいるものもあります。陸上との物資の運搬や、人員の輸送機として使っている機体もあるそうです。
F:何年くらい使っているのですか?
坂:導入してかれこれ40年です。ですがレーダーが回らなくなったとか、そういう不具合は今まで1度もありません。消耗も故障も少ないです。(中に積んだ)機材のトラブルは精密機器ですからまれに起きますが、機体自体はすごく丈夫な飛行機です。もちろん点検整備の賜物ではあるのですが。
盛り上がってまいりましたが、このお話は次号へ続きます。お楽しみに!
→その1:中国機による領空侵犯、日本はやり返さなくていいの?→国民の命を守る航空自衛隊の回答は…
→その2:年間1168回!航空自衛隊の緊急発進が急増したきっかけとは?→幹部が明かす2012年の「あるできごと」
→その3:中国軍の活動が空でも海でも活発化→国民の命を守る航空自衛隊はどう対応?