
学力アップのためには「脳」を活性化させることが重要だが、「脳」を活性化させるためのカギを握っているのは「日々の食事」。頭と心を健やかに育むために必要な栄養素や食事ルールとは。脳と食事や栄養の関係性について小児科医がアドバイスする。本稿は、伊藤明子監修、若宮寿子レシピ作成・調理『頭のいい子が食べている最強レシピ』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。
脳の土台作りのために
大事な役割を果たす食
子どもには健康で丈夫に育ってほしい。そして、優しく思いやりのある子に、さらにできれば頭のよい子に育ってほしい。そう願う保護者の方は多いでしょう。成績を上げることやいわゆるいい学校に行くことを目標にするのではなく、基礎的な学力があり、未知の場面で落ち着いて柔軟に自分の知っていることを応用して問題解決し、複数のタスクを淡々とこなし、周囲の仲間たちと温かく助け合いながら自分のゴールに向かっていく、そんな脳の力をつけてほしいものです。
記憶力、応用力、マルチタスキング、レジリエンス(柔軟性)、問題解決能力、判断力、社会性、コミュニケーション能力などの力をつけるための脳の土台作りのために、実は食と栄養が大事な役割を担っています。三大栄養素である、たんぱく質、糖質、脂質、そして、それらに加えてビタミン、ミネラル、食物繊維が加わった六大栄養素が脳に、そして体に、心に、必要です。
例えば、体の筋肉や臓器を作ることで知られるたんぱく質は、脳の活動に必要な神経伝達物質の材料としても使われます。また、魚の脂などに含まれるDHAやEPAは、脳の情報伝達機能をサポートし、脳の働きを向上してくれます。さらに、鉄などのミネラルが不足すれば、脳内の酸素が不足して集中力が低下するなど、正常に機能しなくなってしまうでしょう。このように、脳が正常に働き、活性化するためには、多くの栄養素が必要となるのです。
脳を発達させるための
食事のルールとは
脳を発達させるための基本となるルールをご紹介します。レシピを作りはじめる前にチェックしておきましょう。
ルール01 白ごはんは雑穀を混ぜる
精製された白米は糖質が多く、糖質以外の体に必要な栄養素が取り除かれてしまっています。糖質の摂り過ぎは細胞の老化を進める「糖化」を招くので、健康のためには糖質の摂り過ぎは控えたほうがよいでしょう。おすすめは、もち麦やひえ、きび、あわなどの全粒雑穀を白米に混ぜた「雑穀米」。現代人がどの年齢層でも不足している食物繊維を手軽に摂ることができます。