今すぐ1万円をもらうか、1年後に1万5000円をもらうか? あなたならどちらを選ぶだろうか。「経営の神様」稲盛和夫氏であれば、きっとこう答えるに違いない。(イトモス研究所所長 小倉健一)
あなたならどちらを選びますか?
少し前に流行った以下のような心理実験を聞いたことがないだろうか。「行動経済学」の知見に基づく問いで、「今すぐもらえる少しのお金」と「待てばもらえる多くのお金」のどちらを選ぶかを決めてもらうというものだ。
たとえば、こういう選択肢があるとする。
A:今すぐ1万円をもらう。
B:1年後に1万5000円をもらう。
Bなら年利50%になるにもかかわらず、多くの人は「A:今すぐ1万円をもらう」を選択するという。
ただ現実には、本当に1年後に1万5000円を払う余裕が相手にあるかは不明で、ビジネスの現場においては相手の信用やリスクを鑑みて、選択を迫られることになる。
さあ、そこで次の質問だ。
なお設問は、『仲間の靴を履くことは自分の能力を傷つける:リスクと衝動性における自己と他者の不一致』(ヴォイチェフ・ビアワシェクら著、2016年)で実証された結果をもとに私がつくった(金額はキリのいい数字に設定した)。
A:今すぐ1万円をもらう。
B:1年後に1万5000円をもらう。
途中までは(問1)と一緒だ。だが、ここからが違う。研究者たちは、227人の参加者に次のように聞いた。
2.「仲間にアドバイスするならどうするか」を考えて選ぶ
上記をまず考えてみてほしいが、もう1問だけ問題を出そう。