
我妻佳祐 著
もちろん、資産運用の専門家はそういうリスクがあることもよく知っているので、託されたお金をいくつもの株式や債券などに分散投資して、その中のどれかが値下がりしても、全体ではプラスになるように商品を設計するでしょう。
しかし、その計算どおりの結果が出るとはかぎりません。プロの「読み」が外れれば、投資そのものが失敗に終わることもあります。
損をした投資家は「騙された」と思うかもしれません。任せた専門家に「責任を取れ」といいたくもなるでしょう。
でも、そもそも投資信託は元本が保証されないので、損失が出ても誰も埋め合わせはしてくれません。それは事前にルールとして決められていることなので、たとえ運用が失敗しても、その投資のプロを信じて託した人の責任です。自分で投資先を選ぶよりはマシかもしれませんが、投資信託そのものは決してリスクのない商品ではありません。