講堂で3次元表現の立体曼荼羅を体感!
金堂の北側に立つ講堂は、弘法大師空海により着工され、10年ほどの歳月をかけて835(承和2)年ごろ完成しました。その後の戦火により焼失したため、現存する建物は1491(延徳3)年に旧基壇の上に再興されたものです。
講堂の内部には、真言密教で最高仏にして教主とされる大日如来を中心に、五菩薩、五大明王、四天王、梵天、帝釈天など、全部で21体もの大小の仏像を配しています。先述した通り、単に見映え良く並べているのではなく、曼荼羅の世界を立体化した配置に。弘法大師空海自身が密教の教えを3Dで表現した密厳浄土の世界なのです。
さて、その21体ある仏像の中で、修学旅行生や“仏像ガール”、外国人観光客から絶大な人気と視線を集めるのは、仏法の守護神である天部の一員「帝釈天」です。目鼻立ちが整っていてマッチョ、白馬ならぬ白象に乗ったりりしいお姿で、確かにモテ要素が詰まったイケメンです。
とはいえ、他の仏像もそれぞれ豊かな個性をお持ちなので、ぜひ一体一体じっくり眺めてみてください。例えば四天王の「多聞天」は煌(きら)びやかなデザインの衣装をまとっていて、ファッションリーダーのようであるとか、やはり天部の一員「梵天」が乗る台座を支える鳥たちの今にも動き出しそうな躍動感とか、四天王「持国天」にムギュッと踏みつけられた餓鬼の鼻の穴が開いて歯をくいしばっている様子など、気になる仏像にきっと出会える魅力が、この立体曼荼羅にはたっぷりと詰まっています。
境内では、弘法大師空海の縁日である毎月21日に「弘法市」が開かれ、骨董品やアンティークの着物や雑貨など100を超える店が並びます。12月は年納めとなることから「終(しま)い弘法」と呼ばれ、年明けの「初弘法」とともに一段とにぎわいを見せます。
慶賀門を出て左手に80mほど北へ歩けば、老舗和菓子店「御菓子司 東寺餅」があります。メレンゲを加えることでつるんとした食感に仕立てた求肥(ぎゅうひ)の中には、なめらかなこしあんが。門前名物「東寺餅」は、らくたびのスタッフの大好物です。21日の縁日限定「やきもち」もお見逃しなく。お手頃な価格がとても魅力的です。