気軽に食べられて美味しいファストフード。体に悪い食品だと思われがちだが、サイドメニューの選び方を工夫したり、1~2週間のスパンで摂取する栄養素を調整したりすれば問題ないという。食品添加物についても、適切に使われていればまったく心配は要らない。科学ジャーナリストが、本気で調べた「食の真実」を提示する。本稿は、松永和紀著『食品の「これ、買うべき?」がわかる本』(大和書房)の一部を抜粋・編集したものです。
ファストフードのハンバーガー
添加物は心配しなくてOK
子どもにファストフードのハンバーガーなんて食べさせちゃダメ。からだに悪い。
こんなことを言うお母さん、時々いますね。そこまで極端ではなくても、なんとなくファストフードは罪悪感があって……というお母さんによく出会います。でも、罪悪感なんてまったく持つ必要なし!ただし、注意すべきポイントがあります。
まず、食品添加物はまったく心配する必要がありません。ファストフード店は扱う食材がシンプルなうえ、冷凍食品が活用されており、保存料や日持ちを向上させる食品添加物は不必要です。そもそも、食品添加物は安全性が評価されたものなので、適切に使われていればリスクの懸念はありません。
衛生管理も総じて、通常の飲食店や一般家庭よりもレベルが上です。とくに大手チェーンは、大量の食材を一括して扱い全国で販売しています。企業の責任感、緊張感が強く、高度な衛生管理が行われています。
重要なのは栄養のバランス。万人に食べやすいメニューなので、糖質、脂質、たんぱく質、食塩が多く、バランスが悪くなりがちです。不足する栄養素と過剰になる栄養素の両方を意識することが大切です。その点、ハンバーガーチェーンは栄養情報を公開していることが多く、対応策を考えやすくなっているのです。
たとえば、最大手であるマクドナルドはこんな感じです(図版23)。
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子どもの頃から
食塩控えめの習慣を
栄養成分をこれだけ詳細に公表している外食産業はほかにほとんどなく、立派です。一方で、たんぱく質や脂質が多く、ビタミン類や食物繊維は少なめであることがはっきりわかります。