15年前の理系の「就職人気ランキング」今と違いすぎて愕然とする…写真はイメージです Photo:PIXTA 
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2025」の「『多様性の時代』就職活動最前線」を転載したものです。

就職先として人気を集める企業は、時代によって変わってきた。1978年に始まった「ダイヤモンド就職先人気企業ランキング調査」の結果を、経済史に残る出来事とともに取り上げる。(ダイヤモンド・ヒューマンリソース社長 筒井智之)

バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災…
2024年春までの「経済史に残る節目」に就職人気はどう変化?

15年前の理系の「就職人気ランキング」今と違いすぎて愕然とする…イラスト/もかもえか
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 1995年は都市銀行の不祥事や住専問題などバブル崩壊の影響が表れた。総合商社や電機メーカーに人気が集まった。

 2009年はリーマンショックに端を発する大不況で企業の採用意欲が後退。学生の安定志向が高まり、大手財閥系や業界トップ企業が上位を独占した。

 12年は、東日本大震災の影響で日本経済の先行き不透明感が増した。また、倫理憲章*の改定で就職活動は短期集中化し、大手安定志向が強まった。総合商社や大手金融機関、食品系の人気が目立った。

 21年春は、新型コロナウイルスの感染拡大で採用を中止・抑制する企業が続出。業績ダメージの比較的少ない企業が人気に。

 そして24年春、コロナ禍後の経済活動回復に加え、資源高・円安の価格転嫁が進んだことで企業業績は拡大。企業の採用意欲は復活し、売り手市場傾向が強まった。文理・男女ともに総合商社や金融機関、デベロッパーなど業績が好調で知名度の高い大手企業に人気が集中した。

*「採用選考に関する企業の倫理憲章」。大学や大学院などの新卒・修了予定者の採用活動の解禁日などを経団連が策定した自主ルールで、現在は廃止