最新の就活用語・仕事用語を押さえれば、子どもの就活の応援や、子どもが社会人になって仕事について語り合う際に大いに役立つ。用語の背景も探り「働くこと」への解像度を上げていこう。(千葉商科大学 国際教養学部准教授 働き方評論家 常見陽平)
学生の親たちの多くが体験した「就職氷河期」は去った。いま、企業が直面しているのは「採用氷河期」である。とにかく、人が足りない。採れないのだ。
しかも、「勝ち組」といわれてきた日本の大企業が以前に比べて人気を落としている。この前提を把握しておかないと、子どもたちは判断を誤り、自分を大安売りしてしまう。企業に翻弄されないためにも、就活で使われている用語を押さえて、知識や考え方をアップデートしよう。
今回解説した就活用語を読んで、隔世の感があると思う読者も多いことだろう。売り手市場、採用基準の緩和、オンラインによる効率化などから、学生には多数の内定が出る。ただ、就職先を決断できず、内定式直前に辞退したり、即退職したりする人もいる。学生優位の状態、彼ら彼女たちの志向・嗜好に「甘ったれるな」「恵まれ過ぎだ」と思う人も少なくないはずだ。
実は、その感覚こそ時代とズレている。今までの、ひたすら若者を競わせ、ふるい落とすモデルが問題なのではなかったか?
若者が自分らしい生き方を選択できる時代となった。その分、個人の価値観が問われる。行動の量と質を高めることが重要になる。
「君たちはどう生きるか」どこかで聞いたような言葉がわが子たちに問い掛けられているのだ。
【JTC、GAFA予備校】
就活生、特に上位校の学生の間で日本企業は人気がない。「【26卒】ワンキャリア就活人気企業ランキング」の「東大京大ランキング」では上位10社のうち6社が外資系企業だ。「JTC」とはJapanese Traditional Companyの略。外資系企業に落ち、日本企業に行くことを自虐的に語る際などに使う。「GAFA予備校」とは、外資系IT企業などに転職するためのスキルを身に付ける場となる日本企業を指す。日本の大手企業はその存在が問われている。