帰国子女や海外の大学などに通っていなくても、英語を使いこなすようになるビジネスパーソンは増えている。今回は日本マイクロソフト株式会社 Azureエッジデバイス部にて、プログラムマネージャーとして多国籍なチームで働く田中郁也さんの経験を紹介する。グローバルな環境で活躍する人は、英語に苦労したことがないのではないかと考えがちであるが、田中さんは特段英語に有利な環境になく育った非ネイティブだ。新卒で入った外資系企業で英語がうまく話せず屈辱を感じ、36歳で退職。語学習得を目的にカナダへ留学という選択をしている。田中郁也さんに、ここまで挑戦、決断と今現在感じていることについて、具体的なお話を伺った。(大人の英語取得法リサーチャー 高野美穂)
外資系企業の社員は
「話せる組」と「全く話せない組」に分かれる
田中郁也さんは、今でこそ、米国本社との電話会議や顧客へのプレゼンテーションを英語でする機会も多いが、もともと幼少期を海外で過ごしていたことなどもなく、英語はあまり話せなかった。
日本マイクロソフト株式会社 Azureエッジデバイス部にて、プログラムマネージャーとしてWindowsサーバー製品の開発サポート・パートナーへの販売支援を担当。
「新卒で入社した外資系企業では、英文メールでのやりとりは多くあって、そこはあまり問題ありませんでした。日本の受験勉強で培った知識というのは実は悪くなくて、その知識だけで簡単なメールくらいは読んだり書いたりできるものです。問題は3カ月に1回くらい訪れる、英語ミーティングでしたね。
外資系企業っていうのは、不思議と『英語をすごく話せる人』と『全く話せない人』の2つに分かれるということが多いんですね。中間がとても少ない。そんなチームに、海外から立場の高い来客があると、チームの全員が、顔を見せるために会議室に集められたりするんです。そこで、『じゃ、順番に自己紹介して!』なんて簡単に言われる。そうなると、当然、『英語話せる組』が率先して、前に出ていきますよね?そのあとで少しずつ話せない組に順番が回ってくるんですが、その雰囲気はお察しの通りです」
当時、田中さんは自分を「話せない組」にカテゴライズしていたという。