「僕、テスラだけ運転できるんだよね」セレブ自慢かと思ったら全然違ってた写真はイメージです Photo:PIXTA

東京都心で働く、20年以上ペーパードライバーだった40代女性が、諸般の理由で「車を運転したい」と一念発起!4回の路上マンツーマン教習を経て、再び初歩的な運転ができるようになるまでを自身で実況する企画。第3回では、とうとう首都高速にのって、アクアラインを通り千葉県の内房まで運転していく教習をレポートする。また、運転スキル以外でもわからないことだらけだった「車に乗るようになる」までにぶつかった壁についても紹介する。(ライター 高野美穂)

ペーパードライバーに立ちはだかる壁は運転スキル以外にもある

 ペーパードライバー教習から3カ月後の今、私はまさに明日、教習と同じ順路をたどって、同じ場所にいく計画がある。これまで同じ経路を5〜6往復しており、ほぼ不安はない。新しく手にした「車のある生活」を非常に気に入っている。

 筆者が欲しかったのは、車という「もの」を所有することではなく、車という機能がもたらしてくれる「生活の変化」だ。高級な車を手にしたい所有欲ではなく、便利で安全な車をなるべくコストを抑えて使い、生活範囲を広げたい、毎日に変化をもたらしたいという欲を満たしたかった。今回は、千葉県鋸南町まで、はじめて自分で運転をした教習と、その後の自主練について振り返る。

 その前に、「立ちはだかる壁」について語っておきたい。実は、2回目となる運転教習を受ける段階で、私はまだマイカーを持っていなかった。

 前述の通り、車という「もの」への所有欲はないものの、自分に合うものを、手の出る価格で見つけるため、「車探し」をしなくてはならない。

 そのためにはどんな手段があるのか。新車をディーラーから購入する?中古車センターで中古車を買う?ネットで探す?必要な時だけレンタカーを借りる?カーシェアで借りる?リースをする?などが浮かぶものの、レンタカー以外、未体験だった。

 身近に運転をする人がいない場合、運転初心者は街中に各車メーカーのディーラーというものが存在していることは知っていても、足を踏み入れたことがない。運転する前に思いの外、多くのハードルが多く存在した。

 ここはライターとしての質問力を発揮して、全ての業態の扉をノックだけはしてみた。新車販売の店舗から中古車販売店、リースの方法などいろいろ調べて回った。

 我が家では最終的に、まずはリースという形式で車に乗ることに決めたが、さまざまな車メーカーの特徴や車種について知ることができたという点では、中古車販売店に随分と学ばせて頂いたように思う。駐車場の中だけ、外車も含めたいくつかの車に乗せてもらい、車のメーカーごとの違いをよく感じることができた。ネットなどで調べるよりも、運転席に座るだけで、自分っぽい車と自分っぽくはない車があるように思え、このあたりから車を好きになる人の気持ちが少しづつわかってきた気がした。

 また、当然ながら、新車のディーラーさんもとても親切だった。とはいえ、基本は1社のものしか見られないので、初心者にはそこまで絞り切ることができなかった。