外国人を雇用する日本人管理職のなかには、異文化の壁に直面して関係性に悩む人もいるようだ。しかし違いを受け入れる視点を持てば、相手との関係性は大きく改善されるはず。異文化をもっと理解するための「小さなアクション」とは?※本稿は、千葉祐大著、Yukoイラスト『今日も異文化の壁と闘ってます:違いを乗り越えて仲間になる!外国人材マネジメントのツボとコツ』(三笠書房)の一部を抜粋・編集したものです。
みんな違ってあたり前
捉え方は人によって違う
突然ですが、あなたに質問です。
パンダは白がベースの動物だと思いますか?
それとも黒がベースの動物でしょうか?
正解は、「どちらとも言い切れません」。
パンダは白地に黒の動物であるとも言え、黒地に白の動物であるとも言えます。
見る人によって違うというのが、より適切な答えでしょうか。
「パンダが黒の動物?そんなの絶対おかしいよ!」
そう思った方、ぜひ考えを改めてください。
確かにパンダの体毛は白い部分のほうが面積は多いようですが、黒がベースと思う人がいる以上、パンダを白の動物と決めつけてはいけません。
同じものを見ても、人によって捉え方は違います。自分が正しいと信じることでも、「これ以外はない」と決めつけないほうがいいでしょう。
数学の問題であればともかく、世の中には答えが1つとは限らないものがたくさんあります。自分の意見は間違っていないけど、反対の意見も正しい、というケースは十分にあり得ます。すべてが択一の問題ではないのです。
やっかいなのは、人は自分と違う考えを聞いたとき、相手にネガティブな感情を抱く傾向があること。あげくの果てには、相手の人間性まで疑い始めてしまいます。
「たまにおかしなことを言うけど、あの人、大丈夫かな?」
あなたも周りの誰かに対し、こんなふうに思ったことはないですか?
でも、「おかしい」「変だ」と思う相手と、いいコミュニケーションなんて取れるわけがないですよね。はなからネガティブな感情を持って接することになりますから。
違いを楽しむ心構え
壁を越えて異文化を理解
大切なのは、みんな違ってあたり前と思うこと。そして、違いをひとまず受け入れることです。たとえ相手が「パンダは灰色」と言ったとしても、「この人はおかしい」と決めつけてはいけません。異論に否定から入るのではなく、違いをどう克服するかを考えるべきなのです。