「ガンダムって、あの白いロボットですか?」新作映画『ジークアクス』が初心者でも楽しめる「巧妙な仕掛け」とは?映画『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』公式サイトより

ガンダムの新作映画『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(通称『ジークアクス』)が1月17日に公開され、週末3日間で興行収入約6億円、週末動員観客数ランキング1位になるなど好調なスタートを切っている。その内容は「初心者にも優しい」というが、果たして本当なのか。(フリーライター 武藤弘樹)

新作が「庵野ガンダム」と呼ばれている理由

 ガンダム初心者の筆者などからすると、ガンダムと聞くと、ハマる人はハマっているがそうでない人には敷居が高い重厚でディープな世界というイメージがある。しかし今回のガンダム新作映画はファンにとっては当然大興奮な上に、ガンダム初心者もちゃんと楽しめるともっぱらの評判である。ではどんなものなのかと早速観て参った。

 本稿はガンダム初心者による『ジークアクス』講評である。往年のガンダムファンへ無知ゆえの失礼があるかもしれないことをご容赦願いたい。なお公式が一貫して大声で呼びかけている「ネタバレ厳禁」にならって、ここでもネタバレに該当する情報は一切伏せておくつもりである。

 本作の公式サイトの一番最初に「カラー×サンライズ 夢が交わる」と書かれている。筆者はアニメ界隈にもあまり詳しくないのでなんのことやらだったが、エヴァンゲリオンシリーズで有名な庵野秀明氏が代表を務める「スタジオカラー」と、ガンダムシリーズを手掛けてきたサンライズスタジオが共同制作をした、ということらしい。

 今回のガンダム新作『ジークアクス』は、そうしたこともあって巷の一部では「庵野ガンダム」と呼ばれていたりもする。

 庵野氏の名が実際にクレジットされているのは脚本・デザインワークス・画コンテと限定的だが、他の面子を見てみると監督は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズで監督を務めた鶴巻和哉氏、『新世紀エヴァンゲリオン』で脚本を務めた榎戸洋司氏がシリーズ構成、同作でメカニックデザインだった山下いくと氏が本作も……、といった感じで、たしかにエヴァ感が感じられそうな顔ぶれとなっている。

 『ジークアクス』鑑賞後の感想として、まずその点にだけ言及しておくと、エヴァ感を目立って感じることはほぼなかった。