腕と脚の角度が調整可能
人間に近い見た目で「相棒」に最適?

  人間に近い見た目に加え、キャラが醸す相棒的な頼りがいと、160センチというほぼ成人と変わらないサイズ――などの要素によって、等身大サーナイトぬいぐるみは2次元の世界から3次元の世界に抜け出してきたかのような、虚構と現実の境界線をちょっとあやふやにする程度の強烈な存在感を、等身大サーナイトをお迎えした各部屋において放っているようである。

 また、腕と脚の角度が調整可能で簡単なポージングを取らせることが可能なため(自立はしない)、購入者は思い思いのサーナイトライフを満喫している。「等身大サーナイトが部屋にいるだけでQOLが上がる」というのがおおかたの購入者に共通しているらしき感想であり、具体的な飾り方としては椅子に座らせたり、他の等身大ポケモンぬいぐるみを抱っこさせたり、ベッドで添い寝したりとさまざまだが、突拍子もない楽しみ方はされておらず、あくまで「日常の範囲内」という印象である。

 趣味がある人はサーナイトをそれに絡めて、お気に入りの服やコスプレ的な衣装を着せて楽しんだり、車に乗せたりバイクにまたがらせたりして写真を撮って楽しんでいる。

 等身大ということで、黒いストッキングを履かせるなどして性的なトーンを含んだ喜ばれ方もされているようである。ただ割合的にはどうだろうか、SNSで性に関して露悪的に振る舞いたがる人が一定数いてそれがSNSの特性上目立ちやすいことや、日本におけるケモナー文化が限定的(※注2)であることから、性的に喜んでいる人は全体の中では少数なのではないか、と個人的には推測している。ただ、等身大サーナイトによってその扉を開かれた人もいそうではあった

※注2:獣の要素を持つキャラを愛好する人を「ケモナー」と称する。ケモナーの中にはキャラが性的に描かれるのを好む人もいる。英語圏のカルチャーでは獣キャラ、およびケモナーを「Furry」と言い、日本に比べて支持層が厚い。