米中西部ミネソタ州でノンスティック(焦げ付き防止)加工のフライパンを巡る戦いが激化している。先月、同州は有機フッ素化合物「PFAS」を使用した調理器具の販売を全米の州で初めて禁止した。PFASは分解されにくい性質を持つため「永遠の化学物質」と呼ばれている。禁止の動きは、がんや肝臓障害、不妊などとの関連が指摘されるこの合成化合物の使用を取り締まる全米規模の取り組みの一環だ。これにより、ミネソタ州の店舗で入手可能な調理器具の種類が狭まり、一部の消費者には予想外の事態となった。同州ウッドベリーに住む医学生サラ・ボーヤネンさん(26)は皿洗いのアルバイトをした経験があり、彼女と婚約者は婚姻届を出したら、ノンスティック鍋を購入する予定だった。だが最初に選んだ鍋が州内でもう買えないことを知り、ステンレス製の鍋に切り替えた。